天寧寺略縁起

明治20年 玉琳山 天寧寺全景

当山は正式には、曹洞宗 玉琳山 天寧寺と申します禅宗の寺院でございます。ご本尊は釈迦牟尼如来。
室町時代後期に蒼穹隆公によって尾張国の清洲城下に開創されました。慶長15年(1610年)名古屋城築城にあたって、徳川家康公の清洲越しの命により南寺町(現在の中区門前町)に移転。開創当初の寺号は円徳院でしたが、元文2年(1737年)に徳川宗春公の子・瀧千代が若くして亡くなり、円徳院と戒名がつけられたため避諱して寺号を現在の天寧寺に改めました。
本堂西側の三宝殿にお祀りしている三宝大荒神(秘仏 奈良時代 行基作)は、日本三大霊場の一つで、織田信長公が子息の無事成長を祈願し信仰されたと伝えられています。
古くから崇敬篤く、霊験あらたかで願望の人が絶える事がなく、殊に方位、建築、改装、星祭、災厄消除、諸病平癒、結婚、安産、夜泣き無事成長、商売繁盛、交通安全などに霊験あらたかであります。
昭和20年名古屋大空襲の戦災によって開創当時の伽藍はすべて焼失しましたが、本尊 釈迦牟尼如来と鎮守 三宝大荒神は無事に御避難されました。

三宝大荒神のご利益

三宝大荒神(さんぼうだいこうじん)は、仏・法・僧の三宝を守護し、不浄を厭離(おんり)する佛神です。
仏とは悟りを開いた者、法とは仏の教え、僧とは仏の教えに従って悟りを目指して修行を行う出家者のことです。
三宝大荒神は三宝に逆らう者を戒めるために怒った顔をしております。激しく祟りやすい性格を持つところから、荒神と呼ばれ、不浄や災難を除去する神とされることから、火の神、竈(かまど)の神として、さらに伽藍の守護神でもあり、各地の寺社の鎮守や屋敷神など、その土地や屋敷を守護する神として、また、子どもの守り神としても祀られてきました。
天寧寺の三宝大荒神は、古くから崇敬篤く霊験あらたかで願望の人が絶えることがなく、火の神、竈(台所)の神、不浄や災難を除去する神、土地の神、屋敷の神、福徳の神、子どもの守り神として信仰されてまいりました。
各家にお祀りし守護神として、移転、建築、改装の方位・土地の不浄や災難の除去、諸願成就が祈願され多くの方にご参拝頂いております。

天寧寺の守鶏

鶏は三宝大荒神の使いとされおります。
天寧寺では、守鶏絵馬の雄鶏(おんどり)に願望を書き奉納し、願いが成就したら雌鶏(めんどり)にお礼を書き奉納しお参りされております。雄鶏と雌鶏の絵馬を引き離し願望成就を祈念いたします。
また、鶏は夜に鳴かないことから、子どもの夜泣き虫封じにご利益があると言われております。昔は守土鶏の置物を奉納し、子どもの夜泣き封じを祈る習わしがありました。男子ならば雄を、女子ならば雌を献じ、平癒すると一対として納めるられてきました。
織田信長公も天寧寺で我が子の無事成長を祈願されました。
現在も土製の守鶏、守鶏絵馬は天寧寺で授与されております。
また、東京駅構内の「エキュート東京」の休憩スペースに全国から集められた郷土玩具の中に天寧寺の守土鶏も展示されております。

御朱印

寺院概要

寺院名玉琳山 天寧寺
(ぎょくりんざん てんねいじ)
宗派曹洞宗(禅宗)
(そうとうしゅう)
本山大本山 永平寺(福井県)
大本山 總持寺(神奈川県)
所在地〒460-0018
愛知県名古屋市中区門前町3番21号
電話番号052-321-5865
本尊釈迦牟尼如来
(しゃかむににょらい)
鎮守三宝大荒神
(さんぼうだいこうじん)

powered by crayon(クレヨン)